
モンテッソーリのおしごとって何歳からできるの?
個人差はありますが、おしごとは手先が器用になってくる、8カ月くらいから取り組むことができます。
ただし、歩行が始まる前は、
棚から好きなおしごとを選んで持ってくる→椅子に座って取り組む→棚に片づける
といったおしごとの一連の動作を行うことが難しいため、親の手助け(棚から机あるいは床に敷いたマットの上におしごとを出す、片づける)が必要になります。
そのため、本格的におしごとに取り組めるのは歩行ができるようになる1歳くらいから。
この記事では、保育士ママの経験から、1歳の成長に合わせておうちで簡単に取り組めるおしごとを紹介します。
※おしごとの基本的なやり方は、別記事をご参照ください。
1歳の成長とおしごと
手先を使う
つまむ、ひねる動作
手先が器用になってくる1歳。小さな物をつまんだり、フタを回して開けたりするような動きができるようになります。
よく手先を動かすことは脳の活性化につながると言いますが、モンテッソーリでも、親指・人差し指・中指のことを「突出した脳」と呼んでいます。

この3本指を動かすおしごとを行うことで、脳の神経細胞を刺激し、発達を促します。
「同じ」がわかる
「同じ」「異なる」を認識する
1歳半くらいになってくると、「同じ」かどうかを認識できるようになってきます。
感覚の敏感期は、
- 同一性
- 比較
- 分類
と進んでいきますが、「同じ」がわかるというのは、この1の段階にあたります。
3歳までは、五感を通じて得た情報を無意識にため込んでいきます。
3歳以降は、無意識にため込まれた情報を「知識」として理解しようとしたり、使おうとしたりします。
モンテッソーリでは、「知性の芽生え」と呼んでいます。
同一性を理解することは、この知性の芽生えにつながっていきます。
おうちでおしごとアイデア/日常生活の練習
ゴムかけ
棒にゴムをひっかけるおしごとです。
ゴムを広げてひっかける動作は、靴下を履く練習につながります。

■用意するもの
- ゴム(輪ゴム/ヘアゴム(最初はスプリングヘアゴムがおすすめ!)
- ディッシュスタンド(食器置き)
<手順>
- ディッシュスタンドに1個ずつ、ゴムをひっかけていく
- ひっかけたゴムを箱に戻す
空け移し
空け移しとは、物をお皿からお皿へ移し替えるおしごとです。
食具(スプーン、フォーク、箸)の練習や、水を注ぐ練習になります。

■用意するもの
[物の空け移し]
- お皿2つ
- ポンポン
- トング、スプーン、箸(発達に合わせて)
[水の空け移し]
- ピッチャー/計量カップ/コップ(子どもが持ちやすいサイズのもの)
- 布巾(こぼした場合に、自分で拭きます)
<手順>
- お皿からお皿にポンポンを1個ずつ移す ※水の場合、水の入ったコップから空いたコップへ
- 元にあったお皿にポンポンを戻す
最初は、手でOK。徐々にスプーン→トング→箸とレベルアップしていきます。
フタの開け閉め
回して開ける動作を練習するおしごとです。
ひねるというシンプルな動作ですが、3本指をうまく使うことが必要になります。

■用意するもの
- ジャムのビン/ペットボトル/化粧クリームのケース等
<手順>
- フタを開ける
- フタを閉める
最初は、単純に1つのビンやペットボトルのフタを開ける所からでOK。
ペットボトルを使う場合は、150mlのものや、R1等小さめのものを使うのがおススメです。
興味が持てない場合は、ビンの中に好きなものを入れ(小さなボール、フィギュアなど)、取り出してしまうというおしごとにするもの一つです。
慣れてきたら、様々なサイズのビンを用意して、入れ子にしたり、どのフタがどのビンのものか確かめながら取り組むと、目と手の協応動作を発達させることにつながり、より感覚が鍛えられます。
バックル留め
着替えにつながってくる所で、簡単に取り組めるのがバックル留めのおしごとです。
はめた時のカチッという音が、子どもの興味を引きます。
■用意するもの
- バックル
<手順>
- バックルを外す
- バックルを留める
慣れてきたら、いくつか用意して、輪っかにしてつなげたり、長くつなげる練習もおススメ。
つくるのが面倒な方は、こんな市販のおもちゃも代用できます。
洗濯ばさみ
子どもだと、洗濯ばさみを動かすのも結構指先の力がいるもの。
つまむ動作のいい練習になります。
■用意するもの
- 洗濯ばさみ
- 厚紙
<手順>
- 厚紙に洗濯ばさみを1個ずつはさむ
- 1個ずつ外して、箱に戻す
子どもの興味を引くように、厚紙に好きなイラストを印刷して貼り付けるのもおススメ。
(例)タコ(洗濯ばさみを足に見立てて)、ライオン(洗濯ばさみをタテガミに見立てて)
おうちでおしごとアイデア/感覚教育
ぽっとん落とし
はじめてのおしごととして、定番のぽっとん落とし。
最初は手でつかみやすいピンポン玉など、大きめのボールから始めるのがおススメです。
慣れてきたら、ストローやカード等、難易度をあげていきます。

■用意するもの
- 箱(ミルク缶などでもOK)
- 穴の開いたフタ
- 穴のサイズにピッタリのボール/ストロー等
<手順>
つくるのが面倒な方は、こんな市販のおもちゃも代用できます。
ひも通し
おしごとの定番、ひも通し。
細かな作業で、手の巧緻性の発達を促します。
最初は太目のひも、大き目の穴があいたリング等を通す所から始めます。
慣れてきたら、テグスやビーズを使い、難易度をあげていきます。
■用意するもの
- 紐
- 紐に通すもの(リングやビーズ等)
つくるのが面倒な方は、こんな市販のおもちゃも代用できます。
色分け
「同一性」の理解を促すおしごと。
判別のつきやすい、色から取り組むことをおススメします。
慣れてきたら、形で分ける(丸、三角、四角など)など、難易度をあげていきます。

■用意するもの
- 仕切られた箱
- 箱(ポンポンをしまっておく用)
- カラフルなポンポン、ボール等
- 色紙(もしくは、カラーシールでもOK)
- セロテープ(色紙を使用する場合、箱に張り付けるために)
<手順>
- 同じ色の紙が貼られた所に、同じ色のポンポンを入れる
- ポンポンを全て出して、箱にしまう
※ポンポンや仕切られた箱は、100均で購入することができます。
※マグネットボードにマグネットを貼っていくような形でも作れます。
つくるのが面倒な方は、こんな市販のおもちゃも代用できます。
おしごとをする際の注意点
側を離れない
まだまだ口に入れてしまう1歳児。
細かなパーツを使うおしごとも多いので、必ず側で見守りながら行ってください。
また、正しいやり方でできているかを観察するのも、おしごとの効果を得るための大事なポイント。
正しくできていなくても、声を掛ける必要はありません。
ただし、なぜできないか?を考えて、環境を整えてあげる必要があります。
- ちゃんとやり方を理解していない事が原因 → もう一度お手本をやって見せる
- まだできる段階でないことが原因 → もう少し簡単に取り組めるものに変える
- すぐ飽きてしまう → 少し難易度をあげるか、興味を持てそうなものに変える
子どもの集中力の持続時間は「年齢/分」と言われています。つまり、1歳にして1分。
しかし、お子さんの興味や発達にピッタリあったものが見つかると、30分、1時間と延々とやり続ける「集中現象」が起きることも。
集中現象とは、いわゆるアスリートの「ゾーンに入る」ことと同じで、一つのことに完全に没頭することで最高のパフォーマンスを引き出すことができます。
できる限り手伝わない
やり方が違っていると「こうやるんだよ」と教えたくなったり、もう少しでできそうだと、思わず手伝ってあげたりしたくなるものですが、子どもから大人に問いかけてこない限り手伝わないのが原則です。
どうしたらできるのか試行錯誤するのも、思考力を育てる大事な過程。
失敗からどうしたらいいか学んでいくのも、問題解決能力を育てる大事な過程。
最後まで自分でできた達成感を味わえると、自己肯定感にもつながります。
おわりに
合うものを探すのに試行錯誤するのは大変ですが、おしごとを通じて物事に集中するという体験は、脳を活性化させ、子どもの様々な能力を引き出してくれます。
モンテッソーリ教育が「非認知能力(問題解決力、論理的思考力、自己肯定感等々)」を伸ばすと言われる所以でもあります。
おうちにあるもので簡単に取り組めるものも多いので、ぜひ。

